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2008/07/25 |
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セリちゃんが亡くなってから1ヶ月近くになりますが、未だになんか引きずってます。 早く気持ちを切り替えて、元気を出してと家族にも言われますが、ずっと気持ちが晴れず、セリちゃんの写真を見ては「本当に死んでしまったの?信じられないね。」なんて言っている毎日です。 本当に未だに信じられない・・・心に引っかかっているのはこれなんだと思います。 治療を初めてから6ヶ月。 6ヶ月で亡くなってしまうというのは、イグアナの場合、相当、重症なはず。。。 最後は浮腫がひどくなってしまったけれども、途中、症状は決してそんなに悪くなかった。 腎臓も肝臓も正常に機能していたし、死後解剖でもお腹の中はキレイだった。 とても死んでしまうようには見えなかった。 だいたい、半年前に受診した時以来、口の中の粘膜はほとんど白っぽいピンク色で重度の貧血であることは明白だったのに、なんでその治療をしてこなかったのか。 病院で貧血の対処をしてくれなかったので、自宅で鉄剤などのサプリメントを与えたりしていたけれど、もっと積極的に医学的治療はできなかったのか? そして、治療効果もはっきり出ないまま、下痢に対する同じ漢方薬を6ヶ月も使い続けたことは理解できない。 少しでも改善傾向が見られたなら、それもあっただろうが、全く少しも下痢が改善されることは無かったのだから。 通常、いくら反応が遅いイグアナと言えども、同じ薬を効果も見られないままに3ヶ月以上も使い続けるというのはいかがなものか。 去年の12月に初めて受診してから、3月末には喉の浮腫は一時ほとんど目立たないまでに引いたことがあったので、それで治療効果があったと判断されたのだろう。 私だってそう判断したし、これで良くなる!と期待を持った。 あとはヨードのサプリメントで維持できるのではと獣医さんも私も思った。 でも、下痢は改善されずにずっと同じ状態だったのだから、今思えば、この時点で何とかしろよ!と思ってしまう。 患者の飼い主からは獣医さんを差し置いて、「先生、もう3ヶ月も同じ薬を使っていて効果も見られないのだから、違う薬に変えてみてください。」などとはなかなか言えないものだ。 たかが下痢、されど下痢、それも水様性のひどい下痢だった。 貧血にしても、浮腫にしても、下痢にしても、その原因は数え切れないほどある。 その診断材料としての血液検査は異常なし、レントゲン検査も異常なかった。 そして、やっぱりなんで超音波検査が出来ない病院なのか。 絶対に必要だろう。 できるものならCTもMRIも検討していいのではないのか。 限られた検査項目の血液検査とDVのレントゲン検査だけで診断できるようなら、相当典型的な症状であるのか、相当重症であるのか、はたまた相当天才的な獣医さんなのかである。 だらだらと対症療法を続けた結果、セリちゃんは体力を消耗して死に至ったと思っている。 ホルモンの分泌異常などであれば、イグアナの正常なホルモン値データさえ無い現在では、いかなる検査も有効でなかったかもしれない。 でも、それが言えるのは、他の検査をしてからの話だ。 最後の1ヶ月、2週間利尿剤を使ってみて、全く浮腫は改善されなかった。 獣医さんは利尿剤の量が少なかったために効果が無かったと判断して、利尿剤の量を倍に処方した。 この時点でセリちゃんの浮腫は相当な状態になっていたというのに、利尿剤の量を倍増するだけで安心してしまったのか? 「もし、それでも効果が見られなかったら・・・」そういう危惧は一言もなかった。 あまりにも安易な対症療法と感じざるをえない。 浮腫による肺への圧迫以外にも重度の貧血があったのだから、呼吸困難になることをもっと気に懸けてやるべきだった。 |
少し前に動物看護師の学会に参加してきて、思うところがあった。 人間の医療ではクリニカル・パスという手法が導入されている。 平たく言うと、治療のためのスケジュール表みたいなものだ。 最近は動物の医療もだんだんと進歩してきていて、終末期のワンちゃん、ネコちゃんを看取るというケースが増えてきている。 このような場合に、クリニカル・パスが導入されれば、治療や検査に対して飼い主さんの心構えができるのではということであった。 爬虫類の獣医学はまだまだ犬猫には遠く及ばないが、分からない分野だからこそ、クリニカル・パスという考え方が大切なのではと感じた。 治療の途中段階で、今後起こりうること、治療方針、最終目標など獣医さんと一緒に確認できれば、突然の死によってこれほどまでにショックを受けることも減ると思った。 また、クリニカル・パスによって、治療に対する不安も軽減することができるし、疑問点も明確になるだろう。 セリちゃんの治療は行き当たりばったりの対症療法にしかみえなかったけれども、獣医さん的にはこれがダメならこうしよう、ああしようというスケジュールが明白になっていたのだろうか? もし、そういうクリニカル・パスが見えていたなら、きちんと患者の飼い主に説明すべきである。 セリちゃんの病気は結局は原因不明で治療不可能だったのかもしれない。 でも、それは全てをやった上での話だろう。 私が獣医だったら、6ヶ月の間にもっとできることがあっただろうと思う。 ピロちゃんの死は仕方なかった。 あれはあれで一つの指標を私に与えてくれたのだから。 若齢期に卵巣卵管摘出手術をすると、ホルモンの分泌異常を来し、その結果、副腎腫瘍になる可能性が高いかもしれないということである。 もちろん、個体差はあるだろう。 フェレットなどは生後1ヶ月で避妊されてしまうために、成体になると副腎疾患を起こしやすいが、イグアナの場合も似たようなことが言えるのかもしれない。 セリちゃんの死は、色々な面で納得が行かないのである。 それだけに、いつまでたっても不憫でならない。 もっともっとイグアナを診られる獣医師が増えること、そしてイグアナの病態生理についてももっともっと解明されることを願わずにはいられない。 |
2008/07/10 |
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頭の中が整理がつかず、眠れない日々です。 セリちゃんの写真を見返していて、ショックを受けました。 ここに載せた写真は今年の3月末の写真です。 喉の腫れはほとんど引いていて、一見、なんの異常もないように見えます。 つい3ヶ月前のことです。 いや、浮腫がひどくなったのは5月末でしたから、その2ヶ月前のことなのです。 こんなに腫れが引いていたのだということをすっかり忘れていました。 5月になってピロちゃんの具合が悪くなり、亡くなってしまってからその哀しみに心を奪われている間に、セリちゃんの状態はどんどん悪化していたのですね。 その間、喉の腫れが引いたのはヨードのサプリメントや甲状腺のホルモン剤と同時に、抗炎症剤を平行投与していた時だったということを6月初旬に病院へ行ったあとで思い出したのでした。 ただ、次にまた2週間後に病院へ薬をもらいに行く予定だったので、その時にもらってきてもう一度試してみようと考えていたのです。 そう、セリちゃんの状態がギリギリになっているとは思っていなかったから。 そして、その病院へ行く予定だった前々日にセリちゃんは亡くなってしまいました。 なんでもっと早く気づいてやれなかったのか。 なんでもっと早くに対処してやれなかったのか。 亡くなったピロちゃんのことばかり思っていて、セリちゃんのことを気づいてやれなかった自分をどうしても許せないのです。 仕方がなかった、時間の問題だった、という考え方もあるでしょうけれど、悔しくて悔しくて・・・ たった2ヶ月前に、こんなに良くなっていたのに。 3月末、良くなったことで安心しきってしまって、それまで使っていた抗炎症剤を止めてしまったのでした。 先生の口ぶりからも抗炎症剤はどうでもいいような感じだったし、できれば使わない方向の方がいいのかなとも思っていました。 喉の腫れはてっきり甲状腺がらみだと思っていたし、喉の腫れが一段落した4月からは先生も私も治療の対象が浮腫ではなくて下痢だと考えるようになっていました。 長期に渡っている水様性の下痢を改善することができれば浮腫も改善されるのではないかと考えていました。 イグアナなど爬虫類は変温動物なので薬に対する反応に時間がかかるということもあり、治療を始めてもすぐには効果が現れないことが多いので、たいていは1ヶ月単位で考える癖がついていました。 取りあえず1ヶ月治療してみて、効果が無ければ薬を変えてみましょう、というのが獣医さんのスタンスです。 セリちゃんの下痢に関しては、消化管で効果が出にくいということもありましたが、昨年の年末以来、6ヶ月も同じ漢方薬を使っていました。 6月になって漸く薬を変えてみようということになって変えたところでした。 その頃からニュートリバック(乳酸菌製剤)もガンガン与えてみたところ、下痢の回数が一日6回くらいだったのが2回ほどに減りました。 てっきり薬の効果が出てきたのだと思っていたのでしたが、これは今考えてみると、体力が低下してきていて消化管の動きが悪くなっていたのかもしれないと思います。 返す返すも自分に危機感が欠如していたことが悔やまれます。 本当にこれっぽっちもセリちゃんが亡くなってしまうなどということを考えたことがなかったのでした。 最初のイグアナを死なせた時は、自分の知識が足りず、突然の死に相当ショックを受けました。 それから10年の時を経て、色々な知識を吸収してきたのにこの結果です。 まだまだ情報が少ない、解明されていないことも多いというのが現状ですが、ピロちゃん、セリちゃんはまたしても自分たちの身をもって、私にもっとガンバレ!と言い残して逝ったような気がします。 |
![]() 2008.3.29のセリちゃん |
2008/07/05 |
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私の仕事の都合で、セリちゃんの解剖から中一日経って、漸くお葬式をしてあげられることになりました。 亡くなってからほぼ1週間です。 セリちゃん、長かったね。 ごめんね。 ヴォーラちゃんやピロちゃんがお世話になった動物霊園は火葬場が車で30分も離れた所にあって、少し不便だなぁと思っていたので、今回は家からは少し遠くなりますが別の動物霊園を初めて利用してみました。 江東区にある城東動物霊園という所です。 廣濟寺というお寺の付属施設です。 ここは火葬費の他の個別立会料などはかかりませんので、費用も抑えられていて良心的だと思いました。 http://www.kousaiji.net/cemetary/index.html 行ってみると、静かで優しい佇まいのお寺でした。 |
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一番遅い時間でお願いしましたので、セリちゃんが最後のようでした。 受付を済ませてしばらく待っていると、火葬場へ案内されました。 読経こそありませんでしたが、セリちゃんの好きだった小松菜とチンゲンサイ、そして皆さんからいただいたきれいなお花をセリちゃんの周りに飾ってあげて、焼香をし、最後のお別れをしました。 これで可愛かったセリちゃんの姿も見納めかと思うと、やはり涙がこみ上げてきてしまいました。 火葬が終わるまで50分ほどかかるということでしたので、辺りの写真を撮ったり、お寺の飼い猫のタマちゃんの写真を撮ったりしていました。 タマちゃんはお腹が大きくなっていて、妊娠しているようで、体をなでようとしてもお腹を触られそうになると神経質に怒っていました。 そんなことをしていると、きみどりさんが来てくださいました。 お忙しいのにありがとうございました。 火葬が終わったということで、きみどりさんと二人でセリちゃんのお骨を拾いました。 セリちゃんの骨は驚くほど真っ白でした。 優しかったセリちゃんらしいねと二人で話しました。 お寺の方が小さなステンレスの容器に、セリちゃんの爪と歯がついていたであろう顎の骨の一部分を入れて渡してくれました。 分骨をするのは霊魂が成仏できないと言われたりしているようですが、今はこんなこともしてくれるのですね。 セリちゃんは再生尾だったので、シッポの骨が少なかったです。 でも、大腿骨や上腕骨、骨盤や頭頂眼があった辺りの頭骸骨などきれいに残っていました。 全てが終わったという感じでした。 この日も友人が真っ白のきれいなお花を持って来てくれました。 長かったこの1週間。 セリちゃん、やっと、やっと、みんなの所に戻ってきたね。 今はピロちゃんと並んでフェリちゃんのお部屋にいます。 二人でニコニコして、うちのみんなの様子を見守ってくれているのでしょうか。 |
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セリちゃんとも最後のツーショットを撮りました。 お目目がくりくりで可愛かったセリちゃんのこと、忘れないよ。 セリちゃんに出会うことができて、本当にうれしかった。 セリちゃん、ありがとう。 |
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2008/07/03 |
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セリちゃんは浮腫と下痢・貧血がひどかったので、なんとかその原因の一端でも分かればと思い、解剖をお願いしました。 ただ、獣医さんのスケジュールが詰まっていたので、死後4日目まで待たないといけませんでした。 気温も高くなってきていましたので、少し窮屈でかわいそうでしたが、遺体を冷蔵庫に入れてその日まで保管しました。 それほど大きくない我が家の冷蔵庫の1/3を占めて、セリちゃんはバスタオルにくるまれて眠っていました。 解剖の日はやはりドキドキしてしまい、前日はよく眠れませんでした。 これまでも何回かイグアナの解剖には立ち会っていますが、自分のイグアナの解剖は初めてです。 大丈夫だろうか。。。 でも、解剖が始まると冷静な目で見ることができました。 (解剖の結果についてはトピックスをご覧ください。) 解剖してみて、胃の噴門部に大きめの腫瘍があったのは意外でした。 ピロちゃんの腫瘍は卵巣卵管を摘出したためのホルモン異常ではないかと思われましたが、セリちゃんの腫瘍の原因は何だったのだろうと思います。 結局、浮腫や下痢の原因は分かりませんでしたが、胃の腫瘍が悪性であれば、それが原因の一部であったことは十分に考えられます。 色々な原因が重なっていたのでしょうか。 ピロちゃんのひどい状態のお腹の中に比べれば、セリちゃんのお腹の中はとてもきれいでした。 それなのに、こんな原因不明の難病になってしまったなんて、分かりませんね。 |
![]() お花が大好きなセリちゃんでした |