セリちゃんの解剖結果  2008.07.03

浮腫と下痢・貧血がひどくて6月29日に亡くなったセリちゃんの解剖をしていただきました。
獣医さんのスケジュールが空かず、死後4日目となりました。
遺体は冷蔵庫で保管していましたが、やはりかなり傷んでいました。
死後時間が経っているために細菌も繁殖してしまっているだろうからと、組織検査はしませんでした。

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獣医さんは亡くなったセリちゃんの体の浮腫を見て、驚いていました。
これほどまでにひどい浮腫だと、生きている方が不思議だろうと。
きっと薬でなんとかもっていたのでしょうね。

お腹を切開すると、ガスが溜まってしまった腸が出てきました。
組織液が滲出して相当量が貯留していました。
その組織液をシリンジで吸引しましたが、300cc近くもあったようです。
大きくせり出しているのは結腸です。
脾臓
胃の脇にあった脾臓です。
大きさも色も異常はありませんでした。
腸
腸を取り出しているところです。
まだ沢山の組織液が貯留しているのが分かります。
肝臓は少し肥大しているように見えました。
表面も1/3ほどがざらざらして変色しているのが分かりました。
腸
腸の内容物や粘膜を調べてもらいました。
胃
胃を開いてみると、入口の噴門部に2.5cmほどの比較的大きな腫瘍が見つかりました。
胃
自壊はしていなくて、出血斑もほとんど見られませんでしたが、悪性腫瘍かもしれませんでした。
これでは食べ物が飲み込みにくかったでしょうね。
結腸
結腸を開いてみましたが、よく消化されていて粘膜にも異常はありませんでした。
内容物で直径1cmほどの少し大きめの塊がありましたが、割ってみると食べた黒土でした。
肝臓
肝臓は1/3ほどが肝硬変を起こしているようでした。
表面に数カ所小さなリンパ腫の転移のようなものが見られました。
胃の腫瘍が転移した可能性がありました。
割面を見てみると、やはり1/3ほどが組織変性を起こしていました。
心臓
心臓
心臓
心臓も少し肥大しているようにも見えましたが、異常はありませんでした。
甲状腺
甲状腺
喉の腫れていたセリちゃんでしたが、甲状腺も見かけ上は特に異常はなさそうでした。
少し大きめかもしれません。
肺
肺も異常はありませんでした。

その他、腎臓も肥大や萎縮は見られず、特に異常はなさそうでした。
卵巣・卵管も異常なし。
食べられなくて強制給餌だったのに、皮下脂肪が多くてびっくりでした。
結局、浮腫や下痢・貧血の原因は分かりませんでしたが、胃の腫瘍や甲状腺機能など色々な条件が重なって症状が出ていたのかもしれないということでした。


セリちゃん、よく頑張ったね。
ありがとう。